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アフガニスタン版「インディアナ・ジョーンズ」、失われたバーミヤンの仏像探し

バーミヤン発、2009年9月10日(BBC):ZemaryalaiTarzi博士は大きな夢を抱いている。正確には、この考古学者は巨大な、1000フィート(300メートル)の寝ている仏陀像を夢見ているのである。

フットボール場3つ分の長さに横たわる石像を想像してみてもらいたい。

しかし、これは夢以上のものである。Tarzi博士はこれを実現しようとしている。

バーミヤンの古代の町にあるジャガイモ畑の真ん中の発掘現場に立って、「最初、人々は私が狂っているに違いないと言いました。」と彼は微笑みをほとんど隠すことなく、語った。

「考古学者は証拠が必要です。我々は探索を続けなければなりません。」

Tarzi博士はバーミヤンの地形を40年間にわたり地図にしてきた。彼は、この中央高原で何世紀もの昔に栄えた仏教文明に関する知識によって、世界的に有名である。

バーミヤンは、東洋と西洋を結ぶシルクロードを旅する旅行者の目的地として、物語に描かれてきた。

7世紀には中国の巡礼者Xuan Zangが、巨大な横たわる仏像に驚嘆している。「この町の東には僧院があり、その中には涅槃の境地に到達して、寝ている形に横たわる仏陀の像がある。像の全長は約1000フィートある。」

彼の詳細な日記は、Tarzi博士の好奇心をかきたてた。

Xuan Zangは情熱と正確さを持って、谷を守って立っている、二体の素晴らしい石で作られた仏陀についても記述しているので、その日記は興味をそそる証拠に思われた。

タリバンは2001年に、世界最大の仏陀の立像であるこれらの仏像を破壊した。

そのことが、Tarzi博士の第3の仏陀像を発見しようという探究心をさらに強くした。

「国の歴史を破壊することはできません。」と彼は怒った。

私がTarzi博士を初めて訪ねたのは2005年、彼が発掘現場で過ごす夏の間であった。

彼の成功を祈らずにはいられなかった。作業している場所の上にそびえる岩壁に大きく開いた穴を、いまだに見ることに耐えられないのだと、彼は変声した声で告白した。

チノの服を着、ぱたぱたする帽子をかぶり、学者の冒険の雰囲気をただよわせ、まるで勇壮な映画のインディアナ・ジョーンズのようにしかみえないすがたで、彼は今でもそこにいる。

地面に掘られた穴の中では、多くの人が忙しく活動している。Tarzi博士に訓練されたアフガニスタン人考古学者たちとストラスブルグ大学のフランス人同僚達が、つるはしとこてを埃と土のなかで、そっとこつこつと音を立てて使い、それを少数の労働者たちが手伝っている。

隠された宝をこつこつと探す彼のチームによって、仏教徒の僧院跡から大量のすばらしい石造りの遺跡が発見された。仏像の小さな足、彫刻された修行僧の僧衣のひだ、聖なる舎利塔である。

そして昨年11月には、この緑に覆われた谷一帯に興奮した叫び声が響き渡った。ついに、寝姿の仏陀が姿を現したのであった。

しかしそれはあの伝説の仏陀像ではなかった。彼らが根気よく掘り続けた結果、全長62フィート(19メートル)と推定される、横たわる像の断片が発見されたのである。片腕が突き出ているのが見え、親指は欠けていた。頭部は破壊されていた。

初心者がその姿を思い浮かべるのは、やはり難しかった。

Tarzi博士は全力で頑張ってみた。平らで硬い地面に横向きに横たわり、片腕を頭の下にきちんとたたみこんだ。インディアナ・ジョーンズでもこれほどうまくはできなかっただろう。

この期待していたよりも小さな像が、ここにあるすべてなのだろうか。そうはいっても、これは素晴らしい発見なのだ。

「私はやり遂げます。」とこの元気な70歳の人は首を横に振って宣言した。彼は私たちを砂岩の崖のふもとに沿った別の場所に案内した。彼はもっと大きな仏陀が、まだここに横たわって寝ていると信じているのである。

Tarzi博士はこの注目すべき歴史が忘れ去られないでほしいと思っている。

日中、灼熱の太陽がギラギラと輝いている時、彼はAga Khan 財団の援助で作られたエコツーリズムセンターで、若者たちを訓練してツアーガイドにするためマスターコースで教えている。

私は未来の観光客の役を演じて、熱心な生徒たちに対し、観光に行く気になるように私を説得させてみた。

「歴史的な場所、ツーリストに安全な場所、バーミヤンにようこそ。」というのが一人の熱心なメガネをかけた女性の、練習を積んだ、しかし心のこもった回答だった。

年上の男性の生徒が後ろの列から「バーミヤンはアフガニスタンでも特別です。」と叫んだ。

生徒全員が同意してうなずいた。

夜の闇が訪れると、Tarzi博士のために、彼の成功を祈るバーミヤンの住民が集まって出席した音楽の夕べが催された。3人の音楽家が破壊された、しかし今もしっかりと生きている、仏陀像のことを歌った。

巨大な仏陀の伝説は今でもバーミヤンに生き続けている。彼は何世紀もの征服、四半世紀の戦争、そしてタリバン支配の終焉の間、眠りを続けてきた。

もし彼が目覚めることがあれば、それはTarzi博士の夢の実現であり、それぞれの夢を持った数知れない他のアフガニスタン人の夢の実現となるであろう。