ナウローズ

 ナウローズ(=新しい日)は、“農夫の日”としても知られる、アフガニスタンの元日である。アフガニスタンで伝統的に行われてきた祭日であり、イランにおいても同様に実施されている。この日は太陽暦(グレゴリオ暦)の3月21日にあたり、春の到来を告げる日(春分の日)に相当する。これは、ペルシャ歴においても同様である。

 ナウローズの祭典の間、人々はこの時のために特別に仕立てた伝統的な民族衣装を身に纏い、家族や友人、隣人のもとを訪れる。そして多くの人が町や都市全域で行なわれる植樹祭に参加する。

 また、家族や友人が集いピクニックやゲームなどを楽しむ。若い男性はブズカシのような伝統競技に参加する。凧上げは、大変人気の高い娯楽であり、大人子どもを問わず親しまれてきた。美しく組み立てられた大小様々な色とりどりの凧が、青く晴れ渡った空に点々と浮かぶのである。競技としての凧揚げもまた人気がある。多くの選手はあらかじめ自分の凧糸を丁寧に手入れし上空で相手の凧糸が切れるように仕組む。最後まで空に残った凧上げ者を勝者とするこの競技で、少しでも長い時間、空に浮かんでいようと、ほんのわずかの差を競った結果、勝者となることもある。

 伝統音楽や伝統舞踊もまた特徴のひとつである。祭典の間によく耳にする有名な歌の一つは、「ムラー・ムハンマド・ジャン」というアフガニスタンのラブソングである。“アタン”はアフガニスタンの伝統的な踊りで、たいてい祭典の終盤に行なわれ、人々はリズミカルに手を鳴らしながら輪になって踊る。この踊りはゆっくりとしたテンポで始まり、徐々に速くなり、終わりに近づくにつれてさらに激しく速くなっていく。

 同様に伝統的な食べ物もナウローズには欠かせない大切なものある。7つのドライフルーツを水に浸して混ぜ合わせたハフト・メウワ(=7つの果物)は、祭典の一週間前から準備される。これは、豊饒と乾季の終わりを象徴している。また、若い小麦から作られるサマナックと呼ばれる料理は、昔から伝わる歌を歌いながら、大きな甕を一晩中火にかけて調理される。サブツイチャラウ(白米とホウレンソウ)はメインディッシュとして振る舞われる。

 そしてクッキーの詰め合わせやジラビというお菓子を含む事前に準備された多くの料理が、ロウソクを灯して美しく飾られたサフラ(テーブルや地面に敷かれる大きな布)の上に並べられる。聖典クルアーン(コーラン)の写しもこのサフラの上に置かれる。それから家族はサフラの周りに集まり、新年の知らせを待つ。年が明けると、まず健康と幸福を祈り、豪華な食事を楽しみ、そして最後に贈り物の交換をするのである。

“ナウローズ・モバラク”=新年おめでとう!